基本はみんなと振り付けしている時に画で浮かびます。自分の体が振り付けを作っていると思います。

香瑠鼓

最初に曲を聞いたとき、シンプルで、ちょっと哀愁があるけど、まっすぐ行こうっていう歌詞が勇気づけてくれる、ポジティブな曲だなって思いました。それで監督に企画のお話を聞いて、まず、いろんな人たちが出るっていうところがすごく興味深くて。同じ振り付けで、同じ画角で編集される。

そういう監督のコンセプトがすごくいいと思ったんですね。これが交錯していくと、色々な人たちが同時代に生きてる、淡々と生きている、一生懸命生きているけど、普通の人だからそんなにいいことも無い。でも、ちょっとだけいいこともある。それが実感を伴って、現せられたらいいな、と思って。

出演者の方も、前に佐藤啓プロデューサーと、犬童監督が私たちの舞台を観に来てくださって、そこに出演していた障害のある俊介さんとか、それから真椰ちゃんにも是非この企画に出て頂きたいと言っていただいて。そこにも意味があると思いました。いろんな人が同時に生きているってことで意味が強まるし。

振り付けはどのように考えたのですか?

香瑠鼓

それと、後ろに歩いて、前に歩くっていうのは、意味は判らなかったんですけど、みんなで作っていく時に、パッと浮かんだんです。でも、後で考えると、私天の邪鬼なので、あんまり人と同じことやりたくないから、歩いている方向と反対側に行くけど、でも前に進もうという意味なんだと思いました。

それから小指と小指を合わせる仕草も、みんなで作ってる時に、浮かんだんです。これも意味はなかったんです、最初。でも最後歩き出す前に、すごく自分に納得をしてから歩かなきゃいけないんだろうなと思って、あーこれって自分に約束してるのかなって判って。そういう意味だったんだって。

後、胸に手をあてて、外に広げるのは、一番最初に曲を聴いた時に浮かんで、自然に出て来ましたね。基本はみんなと振り付けしている時に画で浮かびます。自分の体が振り付けを作っていると思いますね。なによりも曲がいいので。曲を聞いて、障害のある方達と一緒にやってて、自分の意思ではなくて、その中のイメージで自然に出た振り付けなんです。

横に動いたりする振り付けも?

香瑠鼓

あれは2番目に出て来たのかな?画が。曲を聞いた時に不思議なことにですね、ぼんやりした画が見えて。あと、曲聞いて勝手に自分の中で即興で踊っているうちに、フワッて、いいなーって思って。そうですね・・・これは特にみんなが驚いてくれて。 今回は、「こんなのどう?」ってパッと言ったコトが、すぐに「それって正解ですよ」って反応が出てくるという。作りやすかったですね。

15年間やられているバリアフリーワークショップの始めたきっかけは?

香瑠鼓

振り付けだけではなくて、アーティストとしても活動していて、プロデュース公演もやってます。その公演を観に来た、障害をもった当時中学生の女の子が弟子入りさせてくださいってやってきて。公演が終わって30分くらい待ってたのかな?で、言い方はすごく声の低いトーンだったんですけど、情熱にほだされて、やってみようかなーと思って。

その時に、女の子がお友達を連れて来てくれて、当時5人くらいからスタートしました。全体でひとつのことをやるってことはなくて、教えますって言ってもみんなバラバラで、自分勝手なことをしてて。1年後にステージで全員で、人が見てる前で踊った時に、自分は一人だけで生きてるんじゃなくて、周りの人がいて、そして拍手をしてくれるんだっていうのが判ってもらえて。

それからは軌道に乗って、今でも毎回ワークショップの最後に必ず発表会をするんです。二時間やって30分間発表の場を設けて、いつもお父様、お母様、見学の方に拍手をもらって。みんなでやって満足感を得れるような形にしてます。

最初の頃は、普通に振り付けを教えてたんですけど、やっぱり2分のを覚えるのに一年間位かかるんです。それで、即興を取り入れました。即興だけで、なんというのかな、「これでいいんだぞ」みたいな感じでやれてるのは4年前からですね。今回出演した俊介さんとか真椰ちゃんなんかは、その即興表現をそんなにまだやってないんですけど、自分なりに踊れる優等生ですね。